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久保建英の周囲にできつつある移籍の流れ。だが目指すべきは残留だ (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 状況的には移籍はあり得る。

「久保に居場所なし」

 地元メディアも、その流れを煽りつつある。

 しかし、それでも久保は残留すべきだ。

 彼が目指すべき高みは、王者レアル・マドリードでの先発出場である。であれば、エメリの要求を満たせるくらいの技量がなければ、とても到達はできない。レアル・マドリードは世界選抜のような陣容で、どんなサッカースタイルでも適応できる猛者ばかりだ。

 シーズン前半戦だけでチームを鞍替えした場合、よほど大成功しない限り、評判を下げることが多い。戦い方がすでに確立したチームに途中で加わるのは、それだけパワーも使うし、リスクもある。もし久保がバルセロナのパス保有選手だったら、ベティスやレアル・ソシエダなど、ポゼッションサッカーを信奉している特定クラブでプレーすべきなのだが......。

 2021年、久保がやるべき仕事は、"エメリに価値を認めさせる"ことに尽きる。それだけの力量はあるはずだ。

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