2020.12.25

ラップトップ世代の代表格。若くても経験豊富なナーゲルスマンの才能

  • 西部謙司●文 text by Nishibe Kenji
  • photo by Getty Images

サッカー名将列伝
第28回 ユリアン・ナーゲルスマン

革新的な戦術や魅力的なサッカー、無類の勝負強さで、見る者を熱くさせてきた、サッカー界の名将の仕事を紹介する。今回は最終回。ドイツ・ライプツィヒのユリアン・ナーゲルスマンを取り上げる。まだ33歳だが、すでに経験は豊富。それだけに将来の活躍も十分に期待される監督だ。

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<巨大スクリーンとラップトップ世代>

 6m×3mの巨大スクリーンが練習場に設置された。ホワイドボードの代わりなのだが、白い板に選手を表す磁石を置くよりも、映像のほうが情報量はずっと多く、いろいろと伝わりやすいのは間違いない。

現在33歳だがすでに経験豊富なナーゲルスマン監督現在33歳だがすでに経験豊富なナーゲルスマン監督  設置させたのはユリアン・ナーゲルスマン監督、ホッフェンハイムを率いた時の年齢(28歳)はブンデスリーガ史上最年少だった。

 ナーゲルスマンを筆頭に、若いドイツの指導者たちは「ラップトップ世代」と呼ばれた。巨大スクリーンだけでなく、特殊な機械を用いるなど、新しいテクノロジーをトレーニングに導入していたからだ。ただ、監督になった年齢の若さやテクノロジーは、ナーゲルスマンの本質とはあまり関係がないと思う。

 選手としては大成しなかった。度重なるヒザの負傷により、20歳で引退している。しかし、すぐに指導者への道を歩み始め、育成年代のコーチ、監督として実績を積み、2015-16シーズンにホッフェンハイムの監督に抜擢された。

 最初のシーズンで降格を防ぐと、次のシーズンは中位をキープ。バイエルンやライプツィヒを破って注目された。

 2019-20シーズンからはライプツィヒを率いている。チャンピオンズリーグ(CL)ではグループリーグを首位通過、ラウンド16でジョゼ・モウリーニョ監督率いるトッテナムを破ってクラブ史上初のベスト8進出、さらにアトレティコ・マドリードにも勝ってベスト4。