戦術がジャマだった銀河系軍団。レアルにデル・ボスケの凡人ぶりは必要だった (4ページ目)

  • 西部謙司●文 text by Nishibe Kenji
  • photo by Getty Images

 偉大な凡人、デル・ボスケがレアルを退任したのは、おそらく会長に意見をしたせいではないかと思う。デイビッド・ベッカム(イングランド)を獲得し、マケレレを放出した時に、もう無理だと言ったのではないか。

「デル・ボスケは疲れている」

 これもペレス会長のデル・ボスケ退任時のコメントだが、疲れていると言えば、ずっと疲れているように見える監督だったのだ。静かな賢者の価値は失ってから気づくのかもしれない。

ビセンテ・デル・ボスケ
Vicente Del Bosque/1950年12月23日生まれ。スペイン・サラマンカ出身。1970年代から80年代前半にかけて、レアル・マドリードのMF、DFとしてプレーしリーグ優勝5回。スペイン代表でもプレーした。引退後はレアル・マドリードの育成組織の指導にあたる。99年からは4年間トップチームの監督を務め、「銀河系」と呼ばれたスター軍団を2度のリーグ優勝、2度のCL優勝に導いた。その後08年からはスペイン代表監督に就任。10年南アフリカW杯優勝、12年ユーロ優勝を勝ち取った

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