ロナウド中心にピルロ・ユーベ始動。
「誰からも文句が出ない」のが不安? (2ページ目)
それらはすべてピルロだからこそできたものだ。他の誰も真似することはできない。自らが生まれながらに持っていた才能を、選手たちに要求することはできない。やはり天性の才能を持っていたミシェル・プラティニは、監督を試み、失敗した時のことをふり返り後にこう言っている。
「私にとってごく基本的なことを、なぜ選手たちがミスするのか、私にはわからなかった」
ただ、ピルロはその点も恵まれているだろう。彼が率いるチームは、そんじょそこらのチームではない。ユベントスには彼に匹敵する多くの天才がそろっている。
ピルロはカルロ・アンチェロッティやマルチェロ・リッピなど、多くの名将と呼ばれる監督のもとでプレーし、その指導をつぶさに見てきた。今はその教えを思い出す時だろう。
気心が知れたかつてのチームメイトも残っている。ジャン・ルイジ・ブッフォンは新シーズンが最後の年になるかもしれないが、彼の存在は大きな助けとなるだろうし、その他のベテランDF陣も彼を助けることだろう。不安といえば、誰からも何一つ文句が出ないことぐらいだ。
現在の最大の注目は、ピルロのユベントスがどんなサッカーをするのか。そして誰が残り、誰が出ていくのか、だ。
ピルロは完璧主義者ではない。サッリは3バックでプレーすることを異端だと考えている節があったが、ピルロは違う。様々な状況で戦い抜いてきた経験を持つ彼はもっと柔軟だ。
ユベントスには多くの信頼できるCBがいる(マタイス・デ・リフト、レオナルド・ボヌッチ、ジョルジョ・キエッリーニ、メリフ・デミラル、ダニエレ・ルガーニ)。中盤を5人にしてクリスティアーノ・ロナウドとパウロ・ディバラのコンビを援護させることも考えているだろう。
そのディバラだが、モンスター級のオファーがあれば、ユベントスは売る気だと噂されている。しかしピルロは何があっても彼を放出しないでくれとアニエッリに進言していると思う。ピルロは以前からディバラの足を非常に高く評価している。まさかここにきて手放すことを考えはしないだろう。
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