6歳でプロになると決意。怒れるルカクはデカい選手の育成の好例だ (2ページ目)
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ただ、ルカクはフィジカルだけでスターになれたわけではない。小さな選手が得意とするような技術も身につけている。しかも、あの体格で足が速い。
若いころのルカクは、空中戦やポストプレーよりもスピードスターだった。ロングボールを追って抜け出した時が最強で、スピードがあるうえに競りかけたほうのDFがコンタクトで負けて、バランスを崩してしまうことがほとんどだった。
ドリブルする時のルカクは姿勢が低い。得意はシザースで、滑らかで速い。シュート体勢になってから細かいステップでタイミングを計ってから打つ、DFの足の間を抜くシュートも十八番だ。
育成過程で大きな選手は大成しないという説は、けっこう流布されているのか、体の大きさを生かせていない選手も少なくない。小さな選手が得意とするようなテクニックを身につけようと努力した結果、たしかに体格に似合わない技術を持っているが、体格という武器をほとんど生かせていないケースである。
ルカクは子どものころから飛び抜けて大きかった。試合になると、対戦相手の親から年齢詐称を疑われることも毎回だったそうだ。そして子どものころから体格差を生かしたプレーをしていた。細かいテクニックのうまさが最初からあったのか、どこかの段階で身につけたのかはわからないが、大きな選手特有のプレーは子どものころからやっていたようだ。
<6歳でプロになると決意>
ルカクがプロになると決意したのは、6歳だったそうだ。
ある日、母親が牛乳を水で薄めて飲ませているのを知った。それぐらい貧しかった。電気が来なくなり、夜は真っ暗闇になった。楽しみだったチャンピオンズリーグ(CL)もテレビで見られなくなった。貧しさから抜け出すにはプロになって金を稼ぐしかない、そう決めたのが6歳だった。
日本で言えば小学1年生だ。そんな子どもが「アンデルレヒトでプロになって貧困から抜け出す」と決意した。体格は図抜けて大きい。体の大きな子は、ともすれば同年代の自分より小さくて華奢な友だちに合わせてしまうものだが、ルカクはまったく容赦がなかったという。
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