名勝負と名物料理がある幸せ。ユーロで目撃した「どんちゃん騒ぎ」 (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • 赤木真二●写真 photo by Akagi Shinji

 ポルトガルは風光明媚で食事が美味い。人が優しく、ホスピタリティが高い。国土も広くないので移動に苦労することもなかった。リスボンを拠点にポルトガルの各都市を巡り歩いたユーロ2004の旅は、まさに旅情満載の1カ月間として記憶される。過去に7度ユーロ(欧州選手権)をフルカバーした経験を持つ筆者だが、「一番よかった大会は?」と問われれば、迷わずユーロ2004と答えるだろう。

 決勝戦を含む計5試合を行なったベンフィカのホーム、エスタディオ・ダ・ルスは、10会場の中で最大の規模を誇る。収容人員6万5000人。2013-14シーズンにはチャンピオンズリーグ(CL)決勝も開催したUEFA認定の最上級(=カテゴリー4)スタジアムでもある。

 完成は2003年10月。かつて同じ場所に建っていたそれまでのダ・ルスは、もっと大きかった。1991年に開催されたワールドユース大会決勝、ポルトガル対ブラジル戦には12万7000人もの観衆が詰めかけている。旧スタジアムを筆者は外からしか見たことがないので、記憶は鮮明ではないが、リオデジャネイロの旧マラカナにも通じる、うすらデカいスタジアムだった印象がある。

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