レアルの歴史を塗り替えた唯一の男。英雄が語った「マドリードの真理」 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by MarcaMedia/AFLO

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 しかし、政治力のあるマドリードはスペインサッカー連盟に、移籍に関するルール改正を働きかけ、その契約を白紙に戻させてしまう。話し合いにより、1年ごとに双方のクラブでプレーするという流れになった。一方、バルサは不当な決定に不満を持ち、不要論も上がり(ディ・ステファノはバルサの選手として出場した親善試合では不発だった。また、当時バルサにはラディスラオ・クバラというエースもいた)、結局、その保有権を手放した。

 そしてディ・ステファノは、マドリードの英雄になった。

「金髪の矢」

 その異名は、引き絞られた弓から放たれた矢のようなスピードと破壊力を形容していた。どんな体勢でも、来たボールをネットに放り込むことができた。フィジカル的なパワーと決定力は、クリスティアーノ・ロナウドに近いだろう。同時に技術を生かしたキープ力抜群で、ターンは美しく、とにかくボールを奪われなかった。相手をひらりとかわす、そのバレリーナのような姿はジネディーヌ・ジダンと重なる。

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