久保建英世代のすごいヤツらが続々。バルサの難局を彼らは救えるか (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 中島大介●写真 photo by Nakashima Daisuke

「Desborde y Velocidad」(崩しとスピード)

 それはラ・マシアのサイドアタッカーに対するスカウティングの基本となっているが、ファティは卓抜としたゴールセンスも備える。その点でメッシと共通している。ゴールに近づくたび、たいていの選手は技術の精度が下がるものだが、ファティは少しも落ちない。

 デビュー2戦目でいきなりゴールし、クラブ史上最年少得点記録を更新。昨年末にはチャンピオンズリーグ(CL)インテル戦で得点し、CL史上最年少得点者にもなった。

 ファティの課題は、メッシのように戦うたびに成長できるかどうかだろう。キケ・セティエン監督には、右サイドで起用される機会が多いが、これまで主戦場としてきた左サイドと違い、フィットできていない。17歳の選手には酷な要求だが、ピッチの中でどこにいても自分の生きる形を探し、周りを生かせる選手だけが、バルサでは生き残れるのだ。

 ファティ以外にも、注目すべき選手はいる。

 20歳のMFリキ・プッチは、今シーズンのバルサBを牽引している。センスだけでいえば、同年代では欧州屈指だろう。小柄だが、小気味よくボールをはじき、アンドレス・イニエスタ(ヴィッセル神戸)にも通ずる技術と戦術眼を持つ。ただトップでのプレー機会が継続的に与えられておらず、本人も高いレベルで連戦をするだけの力が備わっていない。濃厚にバルサ色を匂わせる選手なのだが......。

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