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フィルミーノは「偽9番」以上の働き。
リバプールのエンジンはここが凄い

  • 西部謙司●文 text by Nishibe Kenji
  • photo by Getty Images

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サッカースターの技術・戦術解剖
第1回 ロベルト・フィルミーノ

<リバプールのエンジン>

 ユルゲン・クロップ監督によると、ロベルト・フィルミーノはチームの「エンジン」だそうだ。

リバプールの「エンジン」と評されるFWフィルミーノ(写真右から2番目)リバプールの「エンジン」と評されるFWフィルミーノ(写真右から2番目)「ボールを失えば、すかさず奪い返しにいく。また失っても奪い返しにいく」(クロップ監督)

 この攻守に動きを止めない姿勢は、リバプールのプレースタイルを体現している。

 ライバルのマンチェスター・シティは、ボールを保持して相手を押し込み、失ったら直ちにハイプレスに移行する戦術で知られている。これはジョゼップ・グアルディオラ監督がバルセロナから持ち込んだスタイルだ。パスをつなぐから押し込める、押し込めるのでハイプレスが効く。ポゼッションとハイプレスの循環で勝利への式を立てていく。

 一方、クロップのリバプールもハイプレスが看板だが、その過程が違う。まずは縦に早く。スペースがあるうちにロングパスを使って俊足のFWを走らせる。相手に引かれてしまうと崩しにくくなるというのも理由の1つではあるが、それよりもハイプレスのために早く仕掛けていると言っていい。

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