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バルサとロナウジーニョの眩しい記憶。
置き土産はメッシだった

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 中島大介●写真 photo by Nakashima Daisuke

バルセロナの不安定な魅力

 新型コロナウイルスの影響で、多くのスポーツが開催中止や延期を余儀なくされるなか、元スター選手が話題の的になった。

 バルセロナで一世を風靡した元ブラジル代表ロナウジーニョが、偽造パスポート使用によりパラグアイで逮捕され、刑務所に収容された。ニュースはそこで終わりではない。元ブラジルの英雄は所内のフットサル大会に出場し、5得点6アシスト。動画でボールを突く様子は楽しげで、記念撮影では満面の笑みだ。

 ロナウジーニョは変わらない。感情の赴くまま、ボールと戯れる。その時、彼は何からも解き放たれる――。その彼が世界に衝撃を与えたのが、バルサ時代だった。

2003年、バルセロナに移り、スーパースターへの道を歩んだロナウジーニョ2003年、バルセロナに移り、スーパースターへの道を歩んだロナウジーニョ 2003年7月、フランク・ライカールト監督を招聘した新生バルサに、目玉選手としてロナウジーニョがパリ・サンジェルマンから入団している。ジョアン・ラポルタ会長(当時)が選挙公約に掲げていた人気スター、デイビッド・ベッカムを獲得できず、その"外れくじ"と揶揄されていた。その時点では、"好プレーヤー"の域を出なかった。

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