「本田圭佑とユニを交換した」。対戦相手が大興奮で語ったその経緯 (4ページ目)

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

「本田は俺にとっては憧れだ。だから何が何でもユニホームを交換したかった。でもどうしていいかわからない。だってチームメイト全員がそれを狙っていただろう。それに本田はポルトガル語が通じないかもしれないし、俺も日本語はしゃべれない。だから俺は試合の最後まで待たなかったんだ。

 本田はいいプレーをしていたが、45分プレーした頃は、すごく疲れているように見えた。もしかしたら後半はプレーしない可能性もあると思った。試合中、俺は2、3度、本田のそばに行くチャンスがあったので、そのたびに俺は『Muito calor!(暑いですね)』と話しかけていたんだ。前半終了の笛が鳴ると、俺はすぐに彼のところに飛んで行ってまた言った。『暑い。リオデジャネイロ、本当に暑い!』とね。彼はゴールも決めて、ご機嫌で笑ってくれた。

 だから俺は勇気を絞って、自分のユニホームを脱いで手に持ち、『ユニホーム、ユニホームをください』と言った。ラッキーにも彼はわかってくれて、笑顔で俺とユニホームを交換してくれたんだ。彼の経歴を考えると、俺の申し出なんて断ったっておかしくないのに、彼はまるで昔からの友達みたいに俺に話しかけてくれた。ものすごくいい人だった!」

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