「本田圭佑とユニを交換した」。対戦相手が大興奮で語ったその経緯 (3ページ目)

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

「本田のプレーにはとても満足している。今日の本田は期待通りの活躍をしてくれた。今後も我々に満足を与えてくれるだろう。彼が我がチームにいてくれてよかった」

 試合後にパウロ・アウトゥオリ監督が語った数少ない言葉だ。

 人と人が近づくことを恐れてか、通常のハーフタイムでのインタビューは行なわれず、試合後、短くコメントをする時間だけが許された。両チームの監督が出席予定だった記者会見もキャンセルされた。熱く盛り上がるはずだった本田のデビュー戦は、違う様相となってしまった。

 本田は「オ・ジャパ」、もしくはもっと短く「ジャパ」の愛称で親しまれている。

「我らがジャパはやってくれたよ」

 そう言ったのはボタフォゴのレギュラー、ブルノ・ナザリオだ。インタビューは禁止されたが、彼はスタジアムをあとにする時、そう短く感想を教えてくれた。

 もう少し長くしゃべってくれたのは、対戦相手バングーのオフェンシブハーフ、ジョアン・フェリペだった。本田のおかげでこの日の試合は忘れられないものになったと、彼は言う。彼は前半終了後に本田とユニホームを交換した。ジャパがブラジルで初めてプレーしたユニホームは永遠に彼のものとなったのだ。

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