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国王杯決勝はバスクダービーに。
「育て、鍛える」土壌が名選手を生む (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Reuters/AFLO

 国王杯ファイナリストの2チームだけなく、バスクからはアラベス、エイバル、オサスナの3チームも、1部リーグで鎬を削る。

 スペインを席巻するバスクサッカーの実態とは――。

 バスクサッカーの神髄は、「育てる」、もしくは「鍛える」にある。

「我々の人材は限られています」

 レアル・ソシエダの育成ディレクター、ルキ・イリアルテはそう言って、論理的に説明した。

「(人材が)少ないことを自覚し、精鋭集団になる必要があるでしょう。そこで、スカウティングが何より大事です。ギプスコア県のすべてのクラブ(約70のクラブ)と協定を結んでいます。有力な選手を供給してもらう代わりに、自分たちは資金や医療を提供。我々を中心にひとつの家族となって、みんなで高め合う、それが理念ですね。そして最小で最高の成果を出すため、日々のトレーニングでは要求をし続けます」

 育成網は、地域ごとに張り巡らされている。"虎の穴"のようなクラブもある。シャビ・アロンソ、ミケル・アルテタ、アリツ・アドゥリスが育ったアンティグオコというクラブには、トップチームがない。すなわち、育て、鍛えることだけに特化したクラブとして利益を得て、経営を成り立たせているのだ。

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