2020.03.07

国王杯決勝はバスクダービーに。
「育て、鍛える」土壌が名選手を生む

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Reuters/AFLO

 2019-20シーズン、スペイン国王杯決勝に進出したのは、最多優勝回数を誇るバルセロナでも、スター選手をそろえたレアル・マドリードでも、資金力豊富なアトレティコ・マドリードでもない。アスレティック・ビルバオ、レアル・ソシエダという「バスクの古豪」が名乗りを上げた。

スペイン国王杯準決勝でアウェーゴールの差でグラナダを破り、決勝進出を決めたアスレティック・ビルバオ「バスク」

 それはスペイン北に位置する地域を示している。バスク自治州のビスカヤ県、ギプスコア県、アラバ県、そしてナバーラ州のナバーラ県で構成(他にフランス・バスクやいくつかの飛び地がある)。約300万人がバスク人として、民族の誇りを守ってきた。彼らは体格も風貌もスペイン人と一線を画し、独自の言語、文化を持つ。たとえばバスクボールと呼ばれるペロタはサッカーと並ぶ人気スポーツで、どんな村にも会場が存在する。

 サッカーでは、「純血主義」が顕著だろう。アスレティック・ビルバオは今もバスク人、もしくは下部組織レサマで生まれ育った選手しかプレーできない。レアル・ソシエダは80年代にその政策を転換したが、むしろ下部組織スビエタの重要度は増し、トップチームの半数近くがスビエタ組。その割合は世界のトップクラブでは群を抜いている。