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レアル・マドリードがピンチ。
首位攻防のクラシコは大幅にプラン変更 (3ページ目)

  • 高橋智行●文 Takahashi Tomoyuki
  • photo by Getty Images

 その中でベンゼマはゴールを決め続けてきたが、今年に入り急ブレーキ。それを補う選手が今のチームには存在しないのだ。そのためアザール復帰が攻撃陣の立て直しに向けて大きな光となるはずだったが、その願いは脆くも砕け散った。

 アザールを再び失った今、クラシコに向けて攻撃の鍵を握るのは、今現在、攻撃陣で最も好調な選手であるヴィニシウス・ジュニオールとなる。シーズン序盤はアザールとポジションが被ったため右サイドで起用されて調子を落とし、控えや招集外になることが多かった。さらにブラジルの後輩のロドリゴとのポジション争いに敗れた時期もあった。

 完全に自信を失い、これまで数多くの選手が陥ってきたように、レアル・マドリードの重圧に押しつぶされ、このまま終わる気配さえ見せていた。しかしヴィニシウスは完全復活を果たす。決定力の低さは相変わらずだが、左サイドでの突破力は昨シーズン、サンティアゴ・ソラーリ指揮下で大抜擢された時よりも凄みを増している。

 一時期はボールロスト数の多さで、サンティアゴ・ベルナベウのサポーターからもブーイングを受けていたが、途中出場で流れを変えた22節のアトレティコ・マドリード戦、そして敗れはしたもののイスコの先制点をアシストしたCLマンチェスター・シティ戦などでも証明しているように、今やチームで一番のチャンスメーカーとなり、観衆からとくに拍手を受ける選手のひとりとなっている。

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