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選手より高給取りのシメオネ監督。
リーグで苦戦し求心力低下か (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Getty Images

 シメオネは、アトレティコの伝説的指揮官と言える。いまや年俸は2000万ユーロ(約24億円)以上。監督としては世界トップレベルのサラリーで、チーム内のどの選手よりも高給取りである。

 選手時代をアトレティコで過ごしたシメオネは、2011-12シーズンの途中に、監督として戻ってきた。その途端、不安定だったチームを完全に掌握。同シーズンにいきなりヨーロッパリーグで優勝した後、2012-13シーズンはスペイン国王杯優勝。2013-14シーズンはリーガ・エスパニョーラで優勝し、チャンピオンズリーグ(CL)でも準優勝している。

 シメオネ・アトレティコは、徹底したリアクション戦術で相手を震え上がらせ、強豪として君臨するようになった。

「チョリスモ」

 チョロとはシメオネの愛称で、チョリスモは「シメオネ主義」のように訳せるだろうか。勝利を第一にすることを本質とし、なりふり構わない敢闘精神と執拗なまで堅固に守れる組織が完成。現役時代のシメオネのプレーさながら、「目の前のボールに食いつき、その場でひとりひとりが負けない」という戦い方を、選手に"移植"することで成り立っていた。

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