香川真司は「パスコースが見えている」。
レアルに大敗も指揮官は高評価 (3ページ目)
サラゴサに来てからも、香川の苦戦は続いていた。激しいコンタクトでボールを奪っては、前線にやみくもに蹴り出す、いかにも2部らしいスタイルのなかで、香川の存在感は失われがちだった。香川に預けてもスピードが落ちる。一気に攻めたいチームの雰囲気とはどこかかみ合わないところがあった。
だが、相手のレベルが上がれば、ロングボール一辺倒ではとても戦えない。結果的にレアル・マドリード戦では、ふだんよりボールが香川を経由することになった。
後半、敗色が濃厚になってからは、自身の結果にフォーカスしたのかもしれない。いずれもフリーで、63分には左足、84分には右足のシュートを放ったが、惜しくも決まらなかった。一か八かのところでは、シュートを打たず、パスを選択することが多い香川だが、この日はそうではなかった。
サラゴサのビクトル・フェルナンデス監督が称えたのは、78分にルイス・スアレスに通した1本のパスだった。後方からパスを受けた香川は、またぎフェイトを入れながら相手を翻弄し、2人が寄せてきたところで、その間を通した。スアレスのシュートはGKに阻まれたが、相手DFにとっては危機一髪のシーンだった。
「彼がルイス・スアレスに出したパスはすばらしかった。他の人には見えないパスコースが彼には見えている」
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