香川真司、スペインデビュー戦を楽しそうに語る。「もっとよくなる」 (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by REX/AFLO

 香川自身はこのプレシーズン、ドルトムントで練習試合に1試合出場したのみで、ほとんどチームとの練習ができていなかった。実戦から離れた状態だったが、新加入選手として大きな期待を受けてピッチに立った。

「未経験というか、プレシーズンにほとんど試合をしてないのでぶっつけ本番だし、(サラゴサで)1週間しか練習してないので、不安はありましたけど、試合に入ったらそれは忘れて、やれることはやるというのを意識していました。よく80分まで体力がもったな、と。脚は結構つっていましたけど」

 そう語る香川の表情は、久々に楽しそうだった。過去には、たとえチームが勝っても自分が得点していなければ不機嫌な様子を見せた時代もあったが、この日は1試合を終えられたことを、満足そうに振り返った。

 序盤から周囲に積極的に声をかけた。その理由はチームの中心としてやっていくという自覚が半分。あとは実際に知らない選手が多いため、話をしながら試合を進める必要があったからだと言う。

「新加入の選手も多く、一緒にやったことがない選手が多いので、プレッシングのところでのズレなど、うまく回ってなかったところがたくさんあったので、声をかけながらやっていかないといけないなと感じました。僕が知らない選手も多いし、選手の特徴を試合の中で感じながらやりました。

(先制点を決めた)ルイス・スアレスとかの推進力は、とてつもないものがあるので、ひとりで行っちゃう部分もあるのですが、キープする時間も必要だし、そういう意味でいろいろな選手の特徴を知ることができたのはよかった。もっとよくなっていくのは間違いないので、また練習からやっていけたらいいなと思います」
 
 そして「勝ててよかった」と繰り返し、チームの勝利を喜んでいた。

「結構やられていたし、ラッキーな形がたくさんあった。ただ、内容がよくても勝てないと意味がないし、内容が悪くても勝つこと、勝つことで得られる自信が今は大事だと思っている。去年はそういうシーズンを送れなかったので、勝ち続けるという結果も必要だなと思っています。そのうえでサッカーの内容をいかに上げていくか、両方トライしながら、もっと成長していきたいと思う」

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