吉田麻也の経験力を監督が評価。「我慢」のはずが先発復帰を掴んだ
サウサンプトンの吉田麻也が、8月17日に行なわれたリバプール戦で先発に復帰した。
1週間前に行なわれたプレミアリーグ開幕戦のバーンリー戦でベンチスタートを命じられた吉田は、最後まで出番がなかった。その結果は、0-3の完敗。開幕戦で3バックのCB中央を務めたジャック・スティーブンスは今節でベンチ外となり、代わりに吉田が先発に選ばれた。
今シーズン初出場を果たした吉田麻也 開幕戦後に「プレミアリーグが恋しい」と漏らしていたように、日本代表DFにとっては久しぶりの公式戦出場となった。4月下旬に患った肺炎の影響で昨シーズンのラスト3試合を欠場したため、実戦は4月23日のワトフォード戦以来、実に4カ月ぶり。シーズンオフを挟んだとはいえ、ピッチ上で吉田の勇姿を久しぶりに見ることができた。
肝心の試合は、欧州王者リバプールのペースで進んだ。モハメド・サラー、サディオ・マネ、ロベルト・フィルミーノの強力3トップを擁するリバプールは、6割強のポゼッションをキープしながらサウサンプトン陣内へと押し込んだ。
ただ、試合の3日前にトルコのイスタンブールでUEFAスーパーカップを戦った彼らの動きは、いつもより重かった。延長戦を含めた120分間でも決着がつかず、PK戦の末にチェルシーを下した体力面の影響はやはり大きかったようだ。吉田も「あれだけ(120分間もスーパーカップで)戦ってきて、移動もあった。しかも、今日のサウサンプトンは暑かった。前半のリバプールは、かなり重そうだった」と、立ち上がりの印象を語った。
それでも、リバプールは一瞬のスキを見逃さない。DFヤン・ベドナレクの寄せが甘くなったところを突き、マネが右足を一閃──。前半アディショナル・タイムでの失点に悔しさを露わにした吉田も、「前半の最後のところで失点したのは痛かった。0-0が長く続いていれば、後半に相手も疲弊し、さらにチャンスができたんじゃないかなと思います」と嘆いた。
久しぶりの実戦だったせいか、その吉田も立ち上がりは動きに硬さが見え、前半6分にはMFアレックス・オックスレイド=チェンバレンにパスをカットされ、ピンチを招きそうになった。しかし、試合が進むにつれ、動きは軽快に。最終ラインを統率しながら、CFフィルミーノとのマッチアップに勝利したり、クロスボールをカットしたりと、DFとしての職務をこなしていった。CKに合わせた打点の高いヘディングシュートはGKにブロックされて得点にならなかったが、攻撃面でも存在感を示した。
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