2019.08.19

香川真司、スペインデビュー戦を
楽しそうに語る。「もっとよくなる」

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by REX/AFLO

 欧州での10シーズン目を迎えた香川真司が、夢のスペインで第一歩を踏み出した。所属するクラブは2部のレアル・サラゴサだ。

テネリフェ戦で先発、スペインでのデビューを飾った香川真司(サラゴサ) スペインで移籍先を探し始めたのは昨年の夏から。もちろん当初は1部のクラブとの契約を望んでいたという。だが、なかなか決まらないまま夏の市場が閉まり、今年1月の冬の市場でも移籍先は決まらなかった。結局、ドルトムントからのローンという形でベジクタシュ(トルコ)でプレーすることになった。そして、移籍先を探し始めて2回目の夏、決断したのがサラゴサだった。 

 この間に、香川自身は「考え方が変わった」と言う。この夏も1部のクラブを前提に考えていたが、決まらないという現実を受け止め、2部でも受け入れられるようになった。スペイン以外の国のクラブからも関心やオファーは示されていたという。「移籍期限ギリギリまで粘ればまた別の話もあっただろう」とも香川は言う。だが、プレーすることだけでなく、「その土地にいること自体を心から楽しみ、愛せるクラブで挑戦をしたい」と考え抜いた結果がサラゴサだったというのだ。

 筆者は「移籍先が決まるまでは時間がかかる」とも関係者から聞かされていたため、8月9日という早い段階で発表があったことに驚いたものだが、本人の考え方の変化を聞いてなるほどと思った。香川は「チームを1部に昇格させることが目標」と何度も繰り返して語っている。自分自身がトップレベルに返り咲くだけでなく、チームの一員として定着し、腰を据えて長期戦で戦うつもりであり、サラゴサはそれに値するクラブだと判断したということだろう。

 スペイン2部は17日に開幕。サラゴサはホームにテネリフェを迎えた。試合は2-0でサラゴサが勝利。香川は4-2-3-1のトップ下で先発し、得点にこそ絡まなかったが、80分間プレーした。

 香川以外の新加入選手も多いなか、テネリフェに終始ボールを回される展開が続いた。サラゴサの得点は、先制点はカウンターからのもので、2点目は香川が退いたあとのPKだった。サラゴサは主導権を握り切れないだけでなく、プレスをかける位置やタイミングも定まらなかった。時折繰り出すカウンターだけが、攻撃の有効な手段だった。