2019.08.17

柴崎デポル、岡崎マラガ、
香川サラゴサの1部昇格の可能性は?

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Quality Sport Images/AFLO

「リーグ開幕まで1週間なのに、登録選手が17人しかいない。このような状況で、どうやって戦えというのだ!」

 スペイン2部、ラス・パルマスを率いるペペ・メル監督は、そう言って嘆いている。

 同リーグのクラブ経営は、相当に厳しい。昨シーズンは、レウスが選手への給料未払いなど財政状況を理由に、シーズン中にもかかわらず活動停止処分を受けた。レウスはそのまま2部B(実質3部)に自動降格していたが、経営が改善されていないため、今年7月には2部Bからも追放されることになった。

「どのクラブも、経済的には余裕がない」と囁かれる2部のクラブにとって、1部に昇格することこそ、クラブが繁栄する手立てとなる。

 では、柴崎岳、岡崎慎司、香川真司という日本代表選手3人が新天地に選んだクラブは、昇格をつかみ取れるのか?

1部昇格の有力候補であるデポルティーボ・ラ・コルーニャで戦う柴崎岳 柴崎が加入したデポルティーボ・ラ・コルーニャは、昇格の有力候補と言えるだろう。昨シーズンは6位で昇格プレーオフに進出し、その決勝で惜しくもマジョルカに敗れた。第1戦で2-0の勝利を収めながら、第2戦で0-3と逆転負けした。

 主将のスペイン人MFアレックス・ベルガンティーニョスなど有力選手が残留。そこに柴崎だけでなく、コートジボワール人FWママドゥ・コネ、ギリシャ代表CBヴァシリオス・ランブロプロス、さらに1部アスレティック・ビルバオからスペイン人のユーティリティープレーヤー、ペル・ノラスコアインを補強した。シーズン開幕前哨戦として伝統の「テレサ・エレーラ杯」では、1部ベティスを1-0と退けている。

「理論などはテレビゲームでも表現できる。私は、勇猛果敢なチームを望む。相手の陣営で格闘する、その姿勢を見せられるチームだ」

 フアン・アントニオ・アンケラ監督は言う。アルコルコン監督時代にはスペイン国王杯でレアル・マドリードを撃破したこともある。ソリッドだが、挑戦的なチームに仕上げてくるはずだ。

 戦力でそのデポルに匹敵するのが、岡崎が移籍したマラガだろう。

 マラガは昨シーズン、3位だった。1位と2位は自動昇格だけに、あと一歩のところで涙を呑み、プレーオフではデポルに敗れた。ただ、戦力的にはリーグ随一。岡崎は実績、実力ともに2部で最高レベルのストライカーだろう。2部のクラブの年間平均予算は1500万ユーロ(約18億円)と言われるが、昨シーズンのマラガは4500万ユーロ(約54億円)で、オサスナと1、2を争っていた(オサスナは1位で1部復帰を果たした)。