中島翔哉は厳しいシーズンスタート。
今季ポルトガルリーグ展望

  • ジョゼ・カルロス・フレイタス●文 text by Jose Carlos Freitas
  • 竹澤 哲●翻訳 translation by Takezawa Satoshi

 8月9日、今年で86回目となるポルトガルリーグ『プリメイラ・リーガ(リーガ・ノシュ)』が開幕した。今季の展望はこれまでの20年間とそれほど変わるものではない。つまり優勝は2強であるベンフィカとポルトで争われることになるというものだ。

CL予選で敗退。中島翔哉にとって苦いデビューとなった photo by Getty ImagesCL予選で敗退。中島翔哉にとって苦いデビューとなった photo by Getty Images ポルトガル三大クラブの残りのひとつであるスポルティングは、今季もアウトサイダーとしての存在でしかない。2001-02シーズンを最後に、優勝から遠ざかっており、今季も優勝戦線に加われるかどうかは微妙だ。

 ベンフィカとポルトは共に主力が入れ替わり、昨季に比べてチームは大きく変わった。とくにポルトは中島翔哉の加入を含め、より多くの新顔が揃っている。

 それに対して、ディフェンディングチャンピオンのベンフィカは、決定的な仕事をしてきたFWの2人、ベテランのジョナスと若手のジョアン・フェリックスが抜けたことが大きく影響しそうだ。ジョナスはキャリアを終え、ジョアン・フェリックスはアトレティコ・マドリードへ、ポルトガルサッカー史上最高の移籍金である、1億2600万ユーロ(約141億円)で移籍している。

 そのためベンフィカはFW4人を補強。中でもスペイン人FWのラウール・デ・トマースの移籍はメディアで大きく取りあげられた。ベンフィカはパスを所有するレアル・マドリードに対してベンフィカとしては史上最高の移籍金2200万ユーロ(約26億円)を支払っている。

 ラウール・デ・トマースは昨季、ラージョ・バジェカーノにレンタルされて活躍し、得点能力の高さを証明している。しかし、ジネディーヌ・ジダン監督率いるレアル・マドリードには活躍の場を見いだせずに、ベンフィカでの挑戦を選択した。チャンピオンズリーグ(CL)に出場するベンフィカは、まだ出場したことのない彼にとって魅力的に感じたにちがいない。

 プレシーズンにおいてラウール・デ・トマースはセフェロビッチとペアを組んだが、昨季のジョアン・フェリックスと同様の働きを見せるところまでには至っていない。お互いに理解を深めていくためには少し時間がかかるようだ。

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