吉田麻也の経験力を監督が評価。
「我慢」のはずが先発復帰を掴んだ (2ページ目)
ただ、吉田が手を焼いていたのが、何度も何度もDFラインの背後に抜けようとするFWサラーへの対応だった。昨シーズンのプレミアトップタイとなる22ゴールを叩き出したエジプト代表FWは、最終ライン付近を徘徊しながらラインブレイクのチャンスをうかがっていた。
サラーが前方に走り出すと、吉田も一定の距離を保ちながら後方に下がってケア。ほかのCBと連動しながら対応していたが、それでもシュートを許すシーンは何度かあった。試合後、サラーについて聞いてみると、よほど対応が大変だったのか、吉田はしんどそうな表情を浮かべて次のように語った。
「(リバプールに)もっといいパサーがいたら、ホントに厄介でした。今日はリバプールのテンポがあまり上がってなかったから、こちらの対応は割とよかったと思いますけど、それでも何回か裏を取られて危ないシーンがあった。僕らもラインを高く保っていたんですけど、向こうもかなりラインを高く保っていて、お互い『そこの裏のスペースにいかにボールを配球できるか』というのがカギになるなと思っていた」
試合は0-1で進んでいったが、後半26分にベドナレクが自陣でボールを奪われたのが発端となり、サウサンプトンは追加点を許してしまう。試合終盤にリバプールのGKアドリアンのキックミスから1点を返したものの、サウサンプトンは1-2で敗れた。
吉田は今季初出場となった試合を、次のように振り返った。
「ゲームに入っていくなかで徐々に慣れて、試合勘を取り戻していった。後半、すごくやりやすくなったなと思いました。ただ、後半の途中からのプレーを立ち上がりからバンバンできるようにならないといけない。こうやってチャンスをもらったときに結果を出せるようにならないと、またベンチに戻ることになる。
試合について? 前半もチャンスがあったかなと思います。自分自身のシュートもそうですし、失点も防げたんじゃないかと。そういう場面がたくさんあった。後半、サウサンプトンにもチャンスがあったし......。でも、こういうところを取りこぼさないのが、リバプールは強いチームだなと。逆にサウサンプトンは、僕自身もそうですけど、そういうところで一歩足りないところが多いなと感じました」
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