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W杯が拡大の一途でファンはお腹いっぱい? FIFAの野望が止まらない (3ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by Getty Images

 大会方式は、各3チームによる計8グループでリーグ戦を行ない、各グループの首位8チームがトーナメントに進出。18日間で1チーム最大5試合を戦うことで、世界クラブチャンピオンを決定するという。

 しかしながら、この新クラブW杯の開催実現には大きな課題が残されている。今回の発表の直前に、ECA(ヨーロッパクラブ協会)が2021年大会への不参加を表明したからだ。また、評議会に出席した6地域のうち5地域が新クラブW杯開催に賛成した一方で、肝心のUEFA(ヨーロッパサッカー連盟)は同意しなかった。

 彼らが反対している主な理由は過密日程に対する懸念で、とりわけ殺人的なスケジュールが組み込まれている2021年夏の日程については、解決すべき問題が多い。

 まず、ヨーロッパのレギュラーシーズン直後の5月31日から6月8日に設定されている2022年W杯予選を含むインターナショナルマッチウィークのあと、6月17日から7月4日に今回決定した新クラブW杯を開催。それにより、アフリカ選手権と北中米カリブ選手権(CONCACAFゴールドカップ)というナショナルチームの大陸選手権は、最短でも欧州リーグが始動する前の7月5日から31日に開催することになる。

 仮にこのスケジュールが実行された場合、チャンピオンズリーグとヨーロッパリーグの予選、各国リーグのレギュラーシーズンに大きな打撃を与えることは必至だ。その影響を受ける多くの選手の雇用主であるヨーロッパのクラブが反対するのも当然だ。

 過密日程で言えば、FIFAが新クラブW杯とセットで創設を目論む世界版ネーションズリーグついても同じようなことが言える。

 そもそもネーションズリーグは、かつてインファンティーノ会長がUEFA事務局長を務めていた時代に考案された大会で、実際に昨年からUEFAネーションズリーグがスタート(今年6月に4チームによる決勝大会が行なわれる)。同時に、北中米カリブ地区でも昨年からネーションズリーグがスタートしており、アフリカも昨年12月にネーションズリーグ創設を発表するなど、実は世界版ネーションズリーグ創設の準備は着々と進行している。

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