W杯が拡大の一途でファンはお腹いっぱい? FIFAの野望が止まらない (2ページ目)
問題は、現在これらの国々が政治的理由によりカタールと国交を断絶中である点で、FIFAの調査報告書にもカタールと共同開催国との国交正常化が条件と記されている。
もっとも、その点についてインファンティーノ会長は自信を持っているようで、「私はカタールの反応を喜んでいる」とコメントするなど解決策に手応えを感じている様子だ。それを考えると、よほどのアクシデントがない限り、6月にパリで予定されているFIFA総会で2022年大会の出場枠が48に拡大されることが正式決定すると見ていいだろう。
その場合、たとえばアジアの本大会出場枠は現行の「4.5」から「8」ないし「8.5」に大幅拡大されることが予想されており、これを2018年ロシア大会のアジア予選に照らし合わせると、日本も含めた本大会出場5カ国に加え、シリア、ウズベキスタン、UAEにも本大会の切符が与えられ、さらに中国かイラクにはプレーオフ経由での本大会出場の可能性も浮上する。最終予選の緊迫感が薄れることは確実だ。
いずれにしても、今年7月には2022年W杯予選の抽選会が予定されているため、FIFAはカタール国交正常化問題の解決と平行して、6月の総会までに各大陸の出場枠と予選方式を含めたレギュレーションの細部を詰める必要に迫られることとなった。
一方、今回の評議会で正式決定したのが、コンフェデレーションズ杯の廃止と、それに代わるクラブW杯の拡大リニューアルだ。
報告書によれば、2021年夏からスタートする同大会は4年サイクルで開催され、試験的に行なわれる第1回大会は同年6月17日から7月4日に行なわれ(開催国未定)、2019年、2020年の現行クラブW杯は開催されないことになった。
また、出場チーム数は7から24チームに増加し、現段階ではヨーロッパから8チーム、南米から6チーム、アジア、アフリカ、北中米からそれぞれ3チーム、オセアニアから1チームという内訳で検討されている(各地域の出場権の詳細は未定)。
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