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武藤嘉紀が2カ月半ぶりの出場で
猛アピール。残された時間は多くない

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by Getty Images

 ニューカッスル・ユナイテッドの武藤嘉紀が、2カ月半ぶりにプレミアリーグのピッチに立った。

 ここまでの経緯を振り返ると、武藤がニューカッスルの一員として最後にプレーしたのは、1月2日のマンチェスター・ユナイテッド戦までさかのぼらなければならない。その後、アジアカップで約1カ月にわたりチームを離れたが、歯車はそこから大きく狂った。

1月2日のマンチェスター・U戦以来の出場となった武藤嘉紀1月2日のマンチェスター・U戦以来の出場となった武藤嘉紀 アジアカップからチームに復帰しても5試合連続で出番がなく、そのうちの4試合は18名で編成される登録メンバーにも入れなかった。しかも、チームは徐々に調子を上げ、気がつけば降格圏を脱出。先発メンバーは固定され、アピールしたくてもできないという、極めて厳しい状況に陥った。

 そんな武藤が、3月16日に行なわれたボーンマスとのプレミアリーグ第31節でベンチメンバーに入った。2試合前のウェストハム戦でもベンチ入りしていたが、その試合は最後まで出番なし。アジアカップから復帰後、2度目となるベンチスタートを命じられた今回のボーンマス戦で、浮上のきっかけを掴みたいところだった。

 そして、1-2の相手リードで迎えた後半37分、武藤に出番の声がかかった。3-4-2-1の「2」の位置で投入されたのである。

 激しい雨が降るなか、日本代表FWは精力的に動いた。後半43分には味方のクロスボールに合わせようとするも、呼吸が合わない。後半アディショナルタイムの45+1分にも、武藤はロングボールをヘッドでポストプレー。最後はクリスティアン・アツのクロスボールに触れようとしたが、これも合わせきれなかった。

 敗戦濃厚のニューカッスルだったが、後半アディショナルタイムの4分にマット・リッチーが鮮やかにゴールに叩き込み、土壇場で同点に追いついた。得点後、武藤はチームメイトの輪のなかに飛び込んでゴールを祝福。2-2のドローで貴重な勝ち点1を獲得した。

 試合後、「久しぶりの出場だったが」と質問をぶつけると、武藤は次のように語り始めた。

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