香川真司放出のドルトムントが
CL敗退。なぜ勢いをなくしたのか (2ページ目)
今季、開幕からブンデスリーガの首位を独走してきたドルトムントだったが、後半戦に入ると、国内でも不調ぶりが際立っていたからだ。
リーグ戦では、ウィンターブレイクが明けて2連勝したものの、その後は3引き分け。前節はアウクスブルクに敗れ、7戦で3勝3分1敗という成績だ。ウィンターブレイク前には2位バイエルンに勝ち点差6をつけていたが、ついに勝ち点54で並ばれてしまった。こうなると逆転されるのは時間の問題だろう。さらにドイツ杯でも、ブレーメンに延長戦の末に敗れている。今年に入ってからのドルトムントはいいところナシなのだ。
では、前半戦の勢いはなぜなくなったのか。
リーグ戦に関して言えば、各チームがドルトムント対策を講じ、それが功を奏しているからだろう。前半戦のドルトムントは勢いのある、別の言い方をすれば勢いまかせの攻撃で、見る者をあっと言わせてきた。誰が試合に出ても、どこからでも、どの時間帯にでもゴールが奪える。センターバックまで含めた全選手が高いアジリティをもち、スピード感と爽快感に溢れるサッカーを見せた。だからこそ、香川真司はフィットするポジションを発見できなかった。
しかし、そのスピードと勢いまかせが裏目に出ているのが最近のドルトムントだ。この日のトッテナムのように、たとえドルトムントに攻め立てられても、人数をかけて守り、ケインやソン・フンミンにカウンターを任せるパターンを見出してしまえば、ドルトムントの攻撃は怖くなくなる。
昨季までであれば、マルセル・シュメルツァーやウカシュ・ピシュチェクといったベテランのサイドバックが、うまくチームのバランスを取ることもできたが、今季は全ポジションでメンバーを刷新したため、こうした"安定剤"がいなくなった。
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