メッシへの依存度がさらに上昇...バルサはCLタイトルを奪還できるか (4ページ目)
倉敷 そのほかに、バルサについて付け加えておきたいことはありますか?
小澤 守備の不安定さは気になります。ここ最近の試合では失点に直結するミスを犯しているジェラール・ピケへの批判が大きく出ていますが、個人的にはピケよりもサミュエル・ウムティティの方が心配です。レアル・マドリーのラファエル・ヴァランと同じくロシアW杯優勝メンバーとして肉体的消耗と心理的モチベーションダウンが目に付きます。CL第1節PSV戦ではカード2枚で退場になりましたが、昨季のウムティティは無駄なカードどころかファールすら犯さないようなすばらしいセンターバックでした。新加入のクレマン・ラングレも悪くはないですがカウンター時のスピードには不安があるCBですので、ウムティティが昨季並のレベル、パフォーマンスを取り戻さない限り安定した戦いはできないと見ています。
倉敷 では最後に、その他の強豪についても触れておきましょう。まず、中山さんからお願いします。
中山 やっぱり僕はパリ・サンジェルマンの動向を注視していますね。今シーズンは監督がスペイン人のウナイ・エメリ(アーセナル監督)からドイツ人のトマス・トゥヘルに替わって、サッカーも大きく変化しました。ドルトムント時代同様、試合ごと、試合中にもメンバーやフォーメーションを変化させるところがトゥヘルの特徴になっていますが、果たしてそのやり方がパリのようなスター軍団に適しているのかどうかは、まだ答えを出すには時期尚早だと思います。
ただ、ここまでの成績は予想以上に順調で、リーグアンでは開幕9連勝で記録を塗り替え、CL第2節のレッドスター・ベオグラード戦もMCN(ムパッペ、カバーニ、ネイマール)そろい踏みで大量ゴールをマークして大勝しました。ここまでの敗戦は第1節のリバプール戦のみで、それ以外は完璧な戦いぶりを見せていると言っていいでしょう。懸念されたトゥヘルとネイマールの関係もまったく問題がなく、マルコ・ヴェラッティも「トゥヘル監督は選手と積極的にコミュニケーションをとってくれる人物で、練習も楽しく明るい雰囲気でできている」というコメントをしていました。
結果が出ている間は選手との関係も良好なのは当然なので、逆にトゥヘルの真価は結果を出せないときに初めて問われるのだと思います。エメリ時代は早々にゴタゴタが起きたことで、エメリが選手の意見に服従するような格好でその壁を乗り越えましたが、果たしてトゥヘルはどうやって壁を乗り越えるのか。個人的にはそこに注目して見たいと思っています。
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