まだ現役でいけるレジェンド。38歳ジェラード監督が欧州デビュー (3ページ目)
ビジャレアルから見れば、「あまりに早い時間に先制したことで、過信が生まれた。追加点のチャンスもあり、2点目を取っていれば勝負を決められたのに、ゴールを奪うどころか、与えてしまった」(ハビエル・カジェハ監督)という、もったいない試合である。
しかし、それだけにレンジャーズにとっては、大きな勝ち点1だった。
ジェラードは早すぎる失点について、淡々と「国際レベルのゴールだった。バッカは大きな舞台での経験もあるので、驚きはなかった」。選手たちは浮足立っても不思議はない状況に陥ったが、「選手たちは早い時間に先制されても、自分たちを信じてゲームに戻ることができた。いいプレーができ、満足している」と振り返った。
ただし、一度同点に追いついた直後の失点については、辛口だった。数々の修羅場を経験してきた、かつての"闘将"らしく、「もっと落ち着いてゲームを進めなければいけなかった。彼らには経験が必要だった」。12月まで続くグループリーグの突破を目標に見据えるからこそ、「タフなグループなので、今日の後半のように自信を持ってプレーすることが必要だ」と厳しく語る。
この試合に関して言えば、選手個々の能力に加え、チームとしての戦い方を全員が共有できているという点でも、明らかにビジャレアルが上だった。
レンジャーズの選手は、無闇にロングボールに頼ることはせず、パスをつないで攻撃を組み立てようとするものの、足を止めてボールを見てしまう場面が多く、効果的なパスコースを作ることがなかなかできなかった。
しかし、クラブの破産というどん底を経験し、まだまだ復活途上にあるチームだからこそ、ジェラードの下、彼らがどう変わっていくのかは、注目に値する。
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