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「バルサらしい背番号8」新加入アルトゥールはイニエスタに似ている (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 右サイドからのパスを受けたアルトゥールは、大きく左サイドへ展開すると、中央付近で再びボールを引き取り、タイミングよくスアレスへ縦パス。これをスアレスがワンタッチでメッシへ送り、ゴールが生まれている。

 スアレスのスルーパスや、メッシのシュートに注目が集まるのは当然だとしても、それ以前のアルトゥールの組み立てが、間違いなく利いていた。

 そして迎えた後半ロスタイムのことである。ボールを受けたアルトゥールが、イニエスタの十八番のターンでひらりと相手選手をかわしてパスをさばくと、期せずしてスタンドからは大きな拍手が起きた。

 すでに勝負は決し、試合への興味が薄れかかっているなかで、アルトゥールが見せたプレーに、昨季限りで日本へ渡ったレジェンドの姿を重ねた人は多かったのではないだろうか。

 それは、同じ背番号8を背負っていることだけが理由ではあるまい。ブラジルのグレミオから移籍加入した22歳のMFは、カンテラ出身の生え抜き選手以上に"パルサっぽい雰囲気"を漂わせる。

 今季加わったばかりのアルトゥールは、現状においてはサブ扱い。ラ・リーガも含めて、まだ先発出場はなく、出場時間は限られている。

 しかし、近年のCLでは、ライバルのレアル・マドリードが3連覇を成し遂げるのを、ただただ指をくわえて見ているしかなかったバルサが、単なる強さではなく、バルサらしい強さを求めるとしたら......。アルトゥールの存在は、チームに欠かせないものになっていくはずである。

 アルトゥールがバルサにどんな変化をもたらすのか。これからが楽しみだ。

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