長谷部誠は出場機会なしでも明るい。
ポジティブ思考で香川真司と談笑
今シーズン開幕前、フランクフルトの長谷部誠がスタメンはおろかベンチからも外れるなど、誰も予期していなかった。毎日練習を取材するフランクフルト番のドイツ人記者たちも不思議に思い、日本人記者に理由を尋ねてくるほど、予想外の出来事だった。
だが、長谷部自身は状況をしっかりと冷静に把握していた。先週末に行なわれたドルトムント戦後、長谷部はこう語っている。
「最初の2試合でうまくいかなくて、フォーメーションを4バックに変えて、そこから監督がボランチで好んで使う選手の中に、なかなか自分が入っていけていない。もちろん、やっていても感じます。監督といろいろな話はしていますが、自分に足りないものをしっかりと練習で見せていけば、チャンスはあるんじゃないかと思います」
いつものように練習で汗を流している長谷部誠(フランクフルト) 最初の2試合とは、昨季のリーグ戦王者バイエルンとドイツ杯王者フランクフルトが対戦したスーパーカップと、続くドイツ杯1回戦ウルム戦のことだ。
昨季までフランクフルトの監督だったニコ・コバチは、今季はバイエルンの監督に就任した。つまりスーパーカップは、つい最近までの自分たちの監督が率いる最強王者と戦うという複雑な一戦だった。0-5と完敗したこの試合、長谷部はフル出場していた。ポジションは3バックの中央。コバチが好んで使ったリベロだった。
その5日後に行なわれたドイツ杯1回戦で対戦したのは4部のウルム。だが、フランクフルトはスーパーカップの敗戦を引きずったのか、力の差があるはずの相手に1-2で敗れた。この試合でも長谷部はフル出場している。
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