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「バルサらしい背番号8」新加入アルトゥールはイニエスタに似ている (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 わかりやすいのが、"3人目の動き"の少なさだ。特に1点をリードした後の後半は、選手個々の能力に任せ、強引に中央突破を図ろうとするワンツーばかりが目立った。

 ワンツーは、ふたりの選手の関係だけで成り立つ分、連係プレーとしては手っ取り早いが、相手にも読まれやすい。後半72分のプレー――ラキティッチがペナルティーエリア内のスアレスにパスを出し、自らゴール前に走り込んでリターンパスを受けようとしたが、DFにカットされた――が典型だが、みえみえのワンツーほど、守る相手にとって楽なプレーはない。

 だからこそ、3人目、あるいは4人目が絡み、より複雑な連係を作り出すことで相手の守りを混乱に陥れることが必要になるわけだが、残念ながら今のバルサには、それが非常に少ない。結局のところ、個人能力頼みの印象が強くなるのだ。

 ところが、である。

 ある選手の登場を境に、ピッチ上にはかつてのバルサが醸し出した雰囲気が、再び漂った。今季から新たに加入した背番号8、アルトゥールだ。

今季バルセロナに加入したアルトゥールはイニエスタの8番を引き継いだ今季バルセロナに加入したアルトゥールはイニエスタの8番を引き継いだ スタンドの記者席からアルトゥールを見ていて、ピッチに立つ佇まいがどことなくイニエスタに似ているうえ、プレーもまた、彼を思い出させる。特に相手選手を背負ってパスを受けたときに見せる、くるりとターンして相手をかわしてしまうプレーは、まさにイニエスタを見ているようだった。

 真骨頂は、チーム4点目のゴールが生まれたシーンだろう。

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