イニエスタの後継者は誰?
新シーズンのバルサは「メッシありき」 (2ページ目)
メッシの天才性を生かす、そういうコンセプトの布陣だ。
「メッシを見れば、バルサがうまくいっているか、瞭然とする」
かつてジョゼップ・グアルディオラ(現マンチェスター・シティ監督)はそう説明していたが、この日は「メッシ劇場」となった。
前半、メッシはラキティッチのサイドチェンジを呼び込み、決定機を作っている。それを皮切りに、ボールが集まった。いい角度、タイミングでボールが入ると、メッシの"魔法"でチャンスが広がる。デンベレへのラストパスは圧巻だったし、ブスケッツのインターセプトからシュートに持ち込む動きは鋭かった。そのコンビネーションに、バルサイズムのうねりを感じさせた。
後半になって、そのリズムはさらに上がる。バルセロナは右サイドバックのネルソン・セメドが相手のコンビネーションに戸惑い、守備で裏を取られる形が多かった。そこで、右MFのセルジ・ロベルトを下げ、左MFにフィリペ・コウチーニョを投入、ラキティッチを右MFに移したことで、右からの攻撃が活性化した。
これでメッシが手のつけられない存在になった。後半17分、メッシは人馬一体の如く、完全に手なずけたボールと一緒に切り込み、ゴール正面でファウルを誘い、FKを得る。そしてジャンプした壁の下を狙い、ネットを揺らした。
「(1点目に関して)正直、レオ(メッシ)があそこに打ち込むとは予想できなかった。選択肢がたくさんあるんだ。我々にとっては、これ以上ないスペクタクルな選手だよ」
そう感嘆するブスケッツの言葉に、メッシの本質が見える。それだけ異次元な選手なのだ。
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