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クロアチアのサイドチェンジは美しい。
イングランドを下し決勝進出 (4ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki 藤田真郷●写真 photo by Fujita Masato

 それでもサッカーは点が入りにくいスポーツだ。このまま1-1で終了し、PK戦にもつれ込む可能性はけっして低くない。

 しかもクロアチアは、イングランドに疲労度で上回っている、ハズだった。ところが、クロアチアはバテなかった。むしろイングランド以上にボールと相手を追いかけた。このときの気温、22度。ロシアの気候も、勝ち味の遅いクロアチアの追い風になっていた。

 マンジュキッチの決勝ゴールはそうしたなかで生まれた。交代で出場していた左SBのヨシプ・ピバリッチが入れたクロスを、ウォーカーがクリア。それがほぼ真上にハネ上がったところを、この日、大活躍のペリシッチがバックヘッドでゴール前に流すと、そこにDFの裏を取ったマンジュキッチが現れた。

 決勝のカードが、フランス対クロアチアに決まったと言っていい瞬間だった。マンジュキッチの左足が炸裂。思いのほか長くなった試合にピリオドが打たれた。

 クロアチアにとっては初の決勝進出になる。人口は約440万人。過去に決勝に出た国の中では、ウルグアイ(約340万人)に次ぐ小国だ。決勝でフランスという大国を下せば、これ以上の痛快劇はない。

◆通好みの「中盤力」でフランスが勝利。それでも不安が漂うのはなぜか>>

◆もはや「モドリッチの大会」か。クロアチアの栄冠へ獅子奮迅の大活躍>>

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