大味なサッカーで逆転負けも、イングランドの未来はすごく明るい
サッカーの母国の名誉のためにも、あくまでも「この試合に関していえば」と注釈をつけさせてもらうが、イングランドのサッカーは「面白い」とはいえないものだった。
"今どきの流行"を取り入れようとはしている。だが、そもそもの"古臭さ"は隠し切れない。クリアにすら見えるロングボールを、相手DFラインの背後に向かって躊躇なく蹴り込むサッカーは、シンプルというより大味だった。
自国開催だった1966年大会以来のワールドカップ優勝に近づいていたイングランドは、しかし、準決勝でクロアチアに1-2で敗れた。前半5分にして、DFキーラン・トリッピアーがFKを直接決めて先制したものの、後半68分に同点ゴールを、さらには延長後半109分に勝ち越しゴールを許しての逆転負けである。
クロアチアとの準決勝、先制したのはイングランドだったが... イングランドのガレス・サウスゲート監督が語る。
「我々は皆、敗戦の痛みを感じている。こんな結果になるなんて、誰も考えていなかった」
しかし、客観的に試合内容と照らし合わせてみれば、結果は極めて妥当なものだった。
試合開始早々に先制できたこともあり、イングランドは実質5バック+3ボランチで守備を固め、手堅く試合を進めた。攻撃はロングボール頼みだったが、うまくセカンドボールを拾えれば、FWラヒーム・スターリングやMFデレ・アリらのスピードが生きる。そんな大味な攻撃も、それなりに効果を発揮した。
1 / 3