大味なサッカーで逆転負けも、
イングランドの未来はすごく明るい (3ページ目)
とはいえ、だからといって、イングランドのサッカーに絶望する必要はない。それどころか、未来への可能性を十二分に感じさせるのは、育成年代の充実があるからだ。
昨年行なわれたU-17とU-20のワールドカップではいずれも優勝。同じく昨年のU-21ヨーロッパ選手権ではベスト4に進出している。
結果だけではない。下の世代はタレントが豊富なうえ、チームとしても非常に組織的なサッカーを展開できる。A代表のような"アリバイづくり"のためではなく、意図を持ってボールを動かし、ボールポゼッション率を高めて攻撃を仕掛けることができるのだ。年代が下へいけばいくほど、やっているサッカーがモダンになる。
さらに言えば、今大会を戦ったメンバーにしても、20歳のFWマーカス・ラッシュフォードをはじめ、20代前半の選手が少なくない。イングランドは間違いなく変わる。いや、すでに変わり始めている。
イングランドは、1990年大会のベスト4以降、ワールドカップではベスト8が最高成績で、前回のブラジル大会ではグループリーグ敗退に終わっている。最近のA代表の成績に関していえば、停滞どころか、下降傾向さえ見られていた。
だが、今大会では一転、決勝進出こそ逃したが、充実の育成年代に下から押し上げられるように、サッカーの母国は一気に躍進を遂げた。
1966年以来2度目のワールドカップ制覇へ、狼煙は上がった。
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