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大味なサッカーで逆転負けも、
イングランドの未来はすごく明るい (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

 だが、それも長くは続かず、後半に入ると、クロアチアの猛攻にさらされた。同点に追いつかれたあとは、青息吐息。いつ逆転ゴールを許してもおかしくない状況の連続だった。

 その一方で、イングランドにはセットプレー以外に得点の可能性が感じられなかった。何度も繰り返すが、とにもかくにも攻撃が大味だったのだ。

 攻撃時は、3バック+アンカーのMFジョーダン・ヘンダーソンでボールを動かし、ビルドアップを試みるのだが、そこには意図が感じられず、ただ"アリバイづくり"でパスを回すだけ。最後は敵DFラインの背後、あるいはFWハリー・ケインをターゲットにドカンと蹴って終わりだ。

 相手ボールを奪い、守備から攻撃へすばやく切り替えるときも、1本のパスで裏を狙う。ダイレクトプレーといえば聞こえはいいが、あまりに単調で工夫がなかった。

"今どきの流行"を取り入れようとする姿勢の一端は、GKジョーダン・ピックフォードの起用にも見られた。

 昨年のU-21ヨーロッパ選手権を取材した際にも当コラムでレポートしているが、この24歳のGKの特長は、積極的にビルドアップに参加できること。そんなGKをあえて起用しているあたりに、指揮官がどんなサッカーをやりたいのかは想像できる。

 ところが、実際にピッチ上で起きていることはというと、苦し紛れのバックパスがピックフォードに押しつけられるケースばかりが目立った。U-21代表でプレーしているときのほうが、明らかに彼のよさが発揮されていた。

 8人で守備を固め、得点はセットプレー頼み。そんなサッカーで1990年大会以来のベスト4進出は、ある意味上出来。よくぞここまで勝ち上がってきたという印象を受ける。

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