もはや「モドリッチの大会」か。
クロアチアの栄冠へ獅子奮迅の大活躍

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 サッカー選手として最高の名誉である、バロンドール獲得のチャンスが巡ってきている。

 ワールドカップ優勝を成し遂げることは、すなわち、彼個人も世界最高の選手たる評価を得ることになるはずだ。

 ワールドカップ準々決勝。クロアチアは、優勝候補スペインを破って勢いに乗る地元ロシアを2-2からのPK戦で下し、準決勝進出を決めた。クロアチアのベスト4進出は1998年大会以来、5大会ぶり2回目。イングランドとの対戦が決まった準決勝では、初めての決勝進出を目指すことになる。

 そんなクロアチアにあって、まさに獅子奮迅の活躍を見せているのが、キャプテンにして背番号10を背負うMFルカ・モドリッチである。

準々決勝のロシア戦でもモドリッチの存在感は際立っていた準々決勝のロシア戦でもモドリッチの存在感は際立っていた モドリッチは、このロシア戦でもボランチとして攻撃を組み立てるだけではなく、ポジションを一列上げた後半途中からは、再三ペナルティーエリア付近まで進出し、ロシアの強固な守備網に挑みかかっていた。

 とりわけ、ピッチ上の誰もが疲労困憊だった試合終盤に何度も見せた長い距離のドリブルは、こう着した試合を大きく動かすきっかけになると同時に、疲れの見える味方を力強く鼓舞するものだった。

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