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ハンブルガー残留のキーマンとなった
伊藤達哉。日本代表入りはあるか (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Getty Images

 酒井に言わせれば、ティッツは「僕たちにサッカーの楽しさを取り戻させてくれた」監督で、この6試合は、結果だけでなく内容的にも手応えを得ているようだ。そしてこの新監督のもと、最も生き生きと躍動しているのが伊藤達哉である。

 伊藤はマルクス・ギズドル監督時代の第6節にデビューを果たし、出場機会を重ねたが、監督がベルント・ホラーバッハに交代すると出場機会を失った。だが、ティッツが監督に就任してからはチーム戦術の中心的役割を担うようになり、6試合連続でスタメンを飾っている。

 指揮官はこの20歳を、いつも勇気づけてピッチに送り出すという。

「常に僕に毎日自信をつけさせてくれる監督で、今日も試合前に『ブンデスで一番のドリブラーはお前だから』って。監督の期待に応えたいという気持ちで、それがピッチで表現できたのがよかったです」

 伊藤は小柄でドリブルが得意な攻撃的MF。この日のヴォルフスブルク戦でも、前半終了間際の43分に、先制点獲得のきっかけとなるPKを得ている。だが、ボビー・ウッドのPK自体は直視できなかった。顔を埋めて結果を待つ姿が、失礼ながら可愛らしい。

「僕、よくPKをもらうんですけど、見てられないです。PKを蹴れないんで、蹴る選手のプレッシャーもわかるし。だから今日は決めてくれたボビーにありがとうと言いたいですね」

 続く45分には、左サイドでの仕掛けからクロスを入れると、これをニアでルイス・ホルトビーが頭で合わせて追加点を挙げる。伊藤は事実上、2点をアシストしたことになる。

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