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バルサ、シティの「番狂わせ敗退」を
CL博士3人が論理的に読み解く (5ページ目)

  • photo by Getty Images

倉敷 バルベルデはFWに専念する選手の人数を減らし、中盤を厚くすることで昨季よりも守備の負担を軽減させましたが、代わりに攻撃は選手任せ。特にメッシへの依存度は相当高いです。

 それでもこれまでは解決できていたのですが、そうでない日もある。もちろん3バックで臨んだディ・フランチェスコの采配やローマの選手たちの勇気を讃えるべきですが、振り返れば今回バルサを窮地に追い込んだ原因は「ネイマール退団のあとをどうするか?」というシーズン開幕当初からの課題がクリアできなかったことだと考えています。

 フロントがネイマールを手放したあと、バルベルデはしばらく様々な3人目のFWを探していましたが、デンベレは信用を得るまでには至らず、結局見つからなかった。バルサはローマに攻め続けさせなければ試合を逃げ切れたはずだし、得点をとることも可能だったはずですが、相手の嫌がることを誰もしなかった。

 もしネイマールがいればドリブルで突っかけたでしょう。それをやられたらローマもあそこまで集中力を保てたかどうか? 今季、バルサの守備は安定したけれど、やんちゃなプレーは激減した。バルベルデが排除したという見方もできます。今のバルサには少しワイルドな部分が欠けているのかもしれませんね。

 それにしても、最近のバルセロナはチャンピオンリーグのアウェー戦でなかなか勝てていません。原因はどこにあるのでしょうか?

小澤 最近のヨーロッパの傾向として「ハイプレスの進化」というものがあって、その耐久性、継続性の部分が各チームに生まれているように思います。それによって90分間継続してハイプレスを受けて立つボール保持型のチームほど、チャンピオンズリーグの舞台では勝ち難くなっているのではないかと見ています。

 国内リーグ戦ではある程度優位に立って、相手が引いてくれるので、チームは安定した結果を出すことができますが、逆にこういう一発勝負の舞台ではプレスを受けてしまうことで精神的な面でも受けてしまい、早い時間に先制され、後手を踏む展開を招く傾向が顕在化してきています。ローマとのセカンドレグのバルサがまさにそうでした。

 もちろんこの試合のバルベルデの采配もよくなかったと思いますが、ローマはハイプレスを90分間持続させ、82分に3−0にした後も前線からプレッシングをかけ続けていました。実際、ジョルディ・アルバのヒールパスを受けてメッシがエリア内に侵入してシュート性のクロスを入れたシーン以外は、ピンチらしいピンチを作られなかったということも含めて、サッカーがそういう風に進化していると感じています。

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