バルサ、シティの「番狂わせ敗退」を
CL博士3人が論理的に読み解く (3ページ目)
倉敷 常にクリーンシートをつくるわけではないけれど、働き者のサラーとマネがいることで、リバプールは両サイドバックの負担も軽い。チェイシングにしてもアプローチにしても、スピードを活かして前線からボールを追いかけ回してくれる。中盤のジョーダン・ヘンダーソン、ジェイムズ・ミルナー、ジョルジェニオ・ワイナルドゥムらも守備に関しては相当気が利いているし、センターバックはフィルジル・ファン・ダイクが加入して安定した。
シティ戦では高額で獲得したDFの明暗が分かれたわけです。攻撃がクローズアップされるリバプールですが、守備も高いレベルでできないとここまでは勝ち上がれない。それでもシティが無得点というのは正直に言って予想していませんでした。
小澤 結局2試合を通して見た場合、ファーストレグを3-0で前半を終えて、シティが後半に1点も取れなかったことが大きかった。後半の45分間、もう少し工夫があってもよかったのに、何も起こらずに普通に終わってしまった。そこが勝敗の分かれ目になってしまいましたね。
倉敷 そのセカンドレグですが、ここはレフェリーの話抜きには語れません(笑)。小澤さん、この試合のレフェリーはスペイン人のマテウ・ラオスでしたね。
小澤 ここでマテウが主審を担当することになったのが、シティにとっては不幸でした。そもそもスペイン国内でも、なぜ彼がスペインを代表して国際大会、チャンピオンズリーグのような舞台に立てるのか疑問を呈する人が多い審判ですから
当然、ペップも彼のことはよく知っていますし、昨シーズンもモナコとの準々決勝で疑惑の判定によって苦い思いをしていますから。UEFA(ヨーロッパサッカー連盟)の陰謀論までは唱えませんが、マテウが主審を務めるキャスティングがシティにとっての逆転の機運を潰してしまったのは事実です。
倉敷 ハンドやオフサイドをいくつも見逃され、ペップはイライラしていましたね。あまつさえ、前半終了直後の抗議で退席処分を受けてしまうなんて。
中山 開始2分でガブリエル・ジェズスが先制ゴールを決めたという流れからすると、シティにとって前半42分のシーンは納得できないでしょう。あの場面、ミルナーにボールが当たっていたので、レロイ・サネのゴールは本来認められるべきなのに、オフサイドになってしまった。もし誤審がなく、このゴールが普通に認められていれば、僕はシティが準決勝に進出していた可能性は高いと思います。
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