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バルサ、開始2分で45本のパス成功→
メッシの一撃→チェルシー崩壊 (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 先制ゴールを決めたメッシが42本目のパスを受けた場所は、ペナルティエリアの(向かって)右角より内側だった。ゴール正面やや右寄りという感じだったが、チェルシーの5バックは大きく右側(バルサから見れば向かって左側)にずれていて、メッシの目の前にいたのは左ウイングバック、マルコス・アロンソだった。そこから、メッシはワンツー崩れで先制点をゲットしたが、前進するコース上にチェルシーのディフェンダーは誰もいなかったのだ。

 2分強、バルサが左右のバランスよく連続してボールを回している間、鉄壁だと思っていたその守備網は、少しずつ崩れていた。相手がいくら守りを固めても、理詰めに攻撃を仕掛ければゴールを奪うことができる。攻撃的サッカーが興隆する一方で、守備的サッカーがマイナーな域にとどまる理由は、CL25年の歴史の中で、そういう例が枚挙にいとまがないからだ。

 とはいえ、チェルシーにも惜しいシーンはあった。シュートは2度、ゴールの枠を叩いていたし、PKが与えられても不思議はないプレーもあった。スコアは3-0ながら、実力的にそこまでの開きはなかった。

 1-1で引き分けた第1戦も同様だ。ゴールの枠を叩いたシュートは2度あった。悪くないメンバーを抱えているのだから、オーソドックスに戦えばいいのに、と思わずにはいられない。

 一方、勝利したバルサも3-0(通算4-1)というスコアほどの強さを見せたわけではない。デンベレを起用したことで、左右のバランスは改善されていたし、ピッチも広く使えていたが、メッシ頼みという感じが否めなかったことは確かだ。レアル・マドリードのクリスティアーノ・ロナウドへの依存度を、それは大きく超えている。

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