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バルサ、開始2分で45本のパス成功→
メッシの一撃→チェルシー崩壊 (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 開始して2分あまりで、チェルシーは一度もボールを保持することなく、バルサに通算スコア2-1とされるゴールを奪われた。自軍ゴール前を思い切り固めたハズなのに、2分でこじ開けられてしまった。試合前に立てた当初の計画は、この瞬間、あっさり崩れ去った。引いて構え、機を見てカウンターを仕掛ける守備的サッカーをこのまま続けるわけにはいかなくなった。

 前に出ざるを得なくなったチェルシー。慣れない攻撃的サッカーに転じた結果、齟齬(そご)が生じた。前半20分、中盤でセスク・ファブレガスが悪いボールの奪われ方をしたのはその表れだ。カウンターからメッシにドリブルを許し、そしてデンベレに決められた。バルサにやらせたいサッカーを、自分たちがさせられることになった。

 後半18分、再びメッシに奪われた3点目のゴールも同様のパターンだった。前掛かりになるところ、ビルドアップのパスを中盤で引っかけられた。守備的なチームが攻撃的に転じることを余儀なくされ、そしてミスを繰り返し0-3で敗れた。自分たちらしさをまるで発揮することなく、舞台から去った。いい負け方とは言えない。

 5バックで守るチームの矛盾を露呈したような敗れ方である。攻めざるを得なくなった場合への備えができていない。その結果、逆に守りが弱くなった。強いはずの守りに乱れが生じた。

 それもこれも、立ち上がりに原因がある。キックオフ直後からバルサがパスを回す間に、5バックの並びは少しずつ乱れていった。バルサのパスは、右に左に幅広く回った。右サイドにウイング然とデンベレが張って構えたため、最近の試合で目立ったような、攻撃が真ん中に偏ることはなかったのだ。

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