チェルシーは、どうやればバルサに
勝てるか。戦術マニアの3人が考えた (2ページ目)
倉敷 セレソンとしてロシアワールドカップへ本登録されたウィリアンはモチベーションの高さを見せるように大活躍、ジョルディ・アルバの攻撃力まで消していましたね。ウィリアンがバルサに脅威を与え続けられた要因を小澤さんはどう分析しますか?
小澤 倉敷さんのおっしゃる通りモチベーションを含めたコンディションの良さは感じました。カウンター時に前に出ていくスピード、守備でハードワークできる運動量、そして何よりカットインドリブルからのパンチ力あるシュートはバルサにとって脅威でした。改めてウィリアンが再評価されたゲームになったのではないでしょうか。
倉敷 なるほど。ただウィリアンの存在こそ光っていましたが、アドバンテージを獲得すべきホームゲームでもチェルシーはそれほど得点を優先した戦術は取りませんでした。準備時間のなかったコンテは第1戦のプライオリティをどこに置いたのか。中山さんはどう見ていますか?
中山 現在のチーム状況が大きく影響したのだと思います。前回の座談会でも触れましたが、ここにきてチェルシーは急激に調子を落としていて、コンテ自身の去就問題も囁かれています。そんな中、ホームとはいえ、バルサ相手に攻めたくても攻められる状況になかった、というのが実際のところではないでしょうか。
コンテとしては、第1戦は勝ち点1でもいいので、アウェーゴールを与えずに手堅く戦うことを選択したと思います。それが先ほど小澤さんがおっしゃったロングカウンターをメインにした戦術になったのでしょう。ボールを奪ったらまずアザールに預けて、アザールが相手を2、3人引きつけてスペースを作って、そこをウィリアンが使うという、シンプルかつ実に効果的なやり方だったと思います。
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