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CLチェルシー対バルサ。コンテ監督の
心理がわかる3人が戦術を読む (2ページ目)

  • photo by Getty Images

倉敷 守備が崩壊してしまった試合も続きましたが、それまではクリーンシートをいくつも作りながら競り合ったゲームで決勝点が決められず、勝ち点を落としてきたという印象でした。チェルシーは開幕前から攻撃陣の課題、センターフォワードの問題を引きずったままですね。アルバロ・モラタはいてもディエゴ・コスタがアトレティコに去り、冬にはミシー・バチュアイもドルトムントに移籍しました。冬の移籍でアーセナルからオリビエ・ジルーを獲得しましたが、問題の解決にまでなるでしょうか?

中山 コンテのサッカーからすると、ジルーはスーパーサブとしての起用がメインになりそうです。少なくとも、モラタが故障で戦列を離れている間にテストしていたエデン・アザールのゼロトップ起用は失敗だったと思うので、バルサ戦でその策は使わないでしょう。ただ、もしモラタの復帰が間に合わないとすれば、ジルーを含めてメンバー編成を考え直さなければなりません。コンテにとっては実に悩ましいところです。

小澤 このカードは戦術的な見どころが多いですよね。基本的にはバルサがボール保持を前提として攻撃を組み立てていき、チェルシーがそれに対して守備からアクションを起こしていく展開になるとは思っていますが、コンテは戦術的に対策をしっかり練って試合に臨むでしょう。

 おそらくコンテはバルサのボール保持エリアをできるだけゴールから遠ざけにいくと考えています。たとえば、バルサがビルドアップ局面でCBがボールを持った時や、GKテア・シュテーゲンまでボールを下げた時には、積極的にハイプレスを仕掛けてセンターバック2人に対して2トップを、ピボーテのセルヒオ・ブスケツにセスクをあてるなどの同数を作って、バルサのビルドアップをしっかり潰しにかかるのではないかと思います。なるべくロングボールを蹴らせて、セカンドボールをしっかり回収するというかたちは、イタリア代表監督時代のコンテがスペイン代表と戦う時に使って成功させた戦略でしたから。

 特にバルサは、アタッキングサードまでボールを運んでフィニッシュ局面に入るところでのサイド攻撃で強みを作り出しています。左はメッシが一度ジョルディ・アルバにボールを預けて、アルバがダイレクトでライン間に入るメッシに折り返して、それをメッシがフィニッシュするというかたち、連係ができあがっています。

 一方、右サイドのセルジ・ロベルトは、スアレスとそのような連係を作り、左のアルバ、メッシの関係での得点と同じ5ゴールを生み出しています。押し込まれたチェルシーが5バックで対応してくるとは思いますが、フィニッシュ局面でのバルサの崩しは相手が「消した」と考えたスペースでもお構いなしに高速、高精度のパスを差して崩してくるため押し込まれた状況でチェルシーが守り切るのは難しいでしょう。

 ですので、そういう局面をなるべく作らないことを前提に、まずはビルドアップのところをしっかり潰すという戦い方、ハイプレスありきの守備でバルサに挑むと思います。

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