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CLチェルシー対バルサ。コンテ監督の
心理がわかる3人が戦術を読む (5ページ目)

  • photo by Getty Images

中山 総合力ではバルサに軍配が上がりますよね。一方、チェルシーが勝つためには、やっぱりアザールの活躍が絶対条件になると思います。いい時のチェルシーは、必ずと言っていいほどアザールがチャンスに絡んでいますし、自分でゴールを決めなくても、1人、2人をはがして、一気に局面を打開できる。調子さえ良ければバルサにとっての脅威になれるはずですし、逆に彼がゲームから消えてしまうと勝ち目はないと思います。アザールの場合、そういう試合が意外とあるので、チェルシーのキーマンはアザールになるでしょうね。

 彼はまだ今回のようなチャンピオンズリーグの大一番で結果を残した経験がないので、彼にとっても自身のキャリアの分岐点になる可能性もあります。その壁を打ち破ることができれば、まさしく世界トップにランクされるスーパースターに飛躍するきっかけにできるかもしれません。

倉敷 チェルシーにとって気になるのは、第2戦の準備にも影響を与えそうな過密日程の影響です。FAカップ5回戦の3日後にバルサとの第1戦、週末には以前にコンテ監督と舌戦を繰り広げたモウリーニョ監督率いるマンチェスター・ユナイテッド戦、その翌週には首位マンチェスター・シティ戦が控えています。プレミアをもうひとつこなしてまたバルサ戦ですから、FAカップの再試合なんて絶対に避けなければなりません。

 来季のプレミアリーグは4位までがチャンピオンズリーグストレートインですが、現在チェルシーは4位、すぐ後ろにはトッテナムやアーセナルがいます。チャンピオンズの出場権を取り損ねたらそのシーズンは失敗です。いつ、どこにプライオリティを置くのか? 監督の去就にも繋がる正念場がいよいよやってきますね。

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倉敷保雄(くらしき・やすお)

1961年生まれ、大阪府出身。ラジオ福島アナウンサー、文化放送記者を経て、フリーに。現在はスカパー!やJ SPORTSでサッカー中継の実況として活動中。愛称はポルトガル語で「名手」を意味する「クラッキ」と苗字の倉敷をかけた「クラッキー」。番組司会、CM、ナレーション業務の他にゴジラ作品DVDのオーディオコメンタリーを数多く担当し、ディズニーアニメ研究のテキストも発表している。著作は「ことの次第」(ソル・メディア)など。

中山淳(なかやま・あつし)

1970年生まれ、山梨県出身。月刊「ワールドサッカーグラフィック」誌の編集部勤務、同誌編集長を経て独立。以降、スポーツ関連の出版物やデジタルコンテンツの企画制作を行なうほか、サッカージャーナリストとしてサッカーおよびスポーツメディアに執筆。また、CS放送のサッカー関連番組に出演している。出版物やデジタルコンテンツの企画制作を行う有限会社アルマンド代表。

小澤一郎(おざわ・いちろう)

1977年生まれ、京都府出身。サッカージャーナリスト。早稲田大学卒業後、社会人経験を経て渡西。バレンシアで5年間活動し、2010年 に帰国。日本とスペインで育成年代の指導経験を持ち、指導者目線の戦術・育成論やインタビューを得意とする。多数の媒体に執筆する傍ら、スカパー!にてUEFAチャンピオンズリーグなどの試合解説もこなす。これまでに著書7冊、構成書4冊、訳書5冊を刊行。株式会社アレナトーレ所属。

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