2018.01.17

ネイマール抜きでも、なぜ今季の
バルサは強いのか。あの3人が考えた

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蹴球最前線──ワールドフットボール観戦術── vol.6

 2017-2018シーズンの後半戦、各地で最高峰の戦いが繰り広げられる欧州各国のサッカーリーグ。この企画では、その世界トップの魅力、そして観戦術を目利きたちが語り合います。

 サッカーの試合実況で日本随一のキャリアを持つ倉敷保雄、サッカージャーナリスト、サッカー中継の解説者として長年フットボールシーンを取材し続ける中山淳、スペインでの取材経験を活かし、現地情報、試合分析に定評のある小澤一郎──。

 今回のテーマは、リーガ・エスパニョーラ(ラ・リーガ)のビッグクラブ、バルセロナ(バルサ)。今シーズン、新指揮官を迎え、ネイマールがパリ・サンジェルマンへ移籍。それでも絶好調を維持している理由を分析しました。

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今季のラ・リーガで首位を快走するバルセロナ――大不振のレアル・マドリード(マドリー)とは対照的に、バルセロナはまだリーグ戦で無敗を続けるなど絶好調です。お三方はシーズン前半戦を振り返って、バルサの強さの秘密はどこにあると見ていますか?

小澤 僕は、評価が難しい、ある意味で微妙なサッカーだと見ています。あえてアンバランスを作って、リオネル・メッシをトップ下、あるいは4-4-2の2トップでルイス・スアレスと組ませている。

 ここに来てパウリーニョをトップ下に置く4-4-2が機能し始めていますけれど、前提としては開幕直前にネイマールが抜けてMSNが解体、前線のバランスが崩れたことによって、そういうアンバランスなシステムや戦術を選択せざるを得なかったというのはあります。メッシも30歳になって、なかなか守備に貢献できない。それはスアレスも同じで、そこをカバーするためにパウリーニョを補強しました。

 ただ、エルネスト・バルベルデの功績として大きいと思うのは、ルイス・エンリケ前監督時代と違って、間延びした中でカウンターの応酬を挑んで決定力で勝つというのではなく、全体的にボール保持率を高めて相手を押し込みながら、トランジッション(攻守の切り替え)で相手に圧力をかけて、高い位置でボールを奪い返すというスタイルを取り戻したことだと思います。

 実際、セルヒオ・ブスケッツのプレーエリアは昨季よりも確実に高くなっていますし、よいポジションでボールを奪えている。それが、インターセプトの回数がリーグトップというデータにも表れていると思います。昨季までは戻りながら守備をすることが多かったので、そういう部分もバルベルデのスタイルを象徴していると思います。