バルサ完勝のクラシコ。
3人のリーガ達人がマドリーの問題点を斬る (4ページ目)
小澤 たぶんコヴァチッチからすると、前半からあれだけのインテンシティで動いていたら、エネルギーがもたないんですよ。試合後にスペインのラジオを聴いていたら、前半38分くらいでコヴァチッチは膝に手を当てるほど疲れていたと証言している記者がいたので、実際コヴァチッチは前半だけでかなり消耗していたんでしょうね。
いずれにしても、マドリーほどのチームでもこれだけすべてが裏目に出てしまうことがあるんだと、少し不思議に感じました。本当に紙一重だとは思いますけど、一度歯車がずれると立て直すのは難しい。ジダン監督のように、戦術的というよりスター選手を気持ちよくプレーさせるタイプのマネージメント型指揮官だと、スター選手が不調に陥った時には余計に難しいですよね。
倉敷 ジダン監督の戦い方とかやり方がマンネリ化してきたというより、もともとのポテンシャルに陰りが見えてきたということでしょうか?
小澤 毎シーズン、すべて計算通りに進むことはないと思うので、僕はフロントの補強策の失敗が出ていると感じますね。ここ数年で見た時には、スペイン人を筆頭に有望な若手タレントにその市場価格では大きな額を投じて獲得する補強策は、イスコ、マルコス・アセンシオのような成功例も出ていますが、今季はテオ・エルナンデス、ダニ・セバージョスやローンバックのマルコス・ジョレンテ、ヘスス・バジェホといった新加入選手がほとんどチームに絡んでいません。
モラタ、マリアーノを放出して控えFWにマヨラルしかいない前線の選手層の薄さから「FWの補強」が冬の移籍市場で叫ばれている現状も含め、やはりマドリーほどのクラブであれば、毎年ひとりでいいので世界的クラック(名手)を獲得して、チームの競争力を高める補強策は維持していくべきだと思います。
倉敷 興味深いのは、以前バルサが「MSN(メッシ、スアレス、ネイマール)」で悩んでいたことが、現在はマドリーの「BBC(ベイル、ベンゼマ、クリスティアーノ・ロナウド)」に降り注いでいるということです。一方、勝ったバルサは、以前のような美しいサッカーではなく、すごく現実的なサッカーをして勝ったという試合になりました。
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