プレミア前半、マンチェスター2強の明暗でモウリーニョに危険な兆候
プレミアリーグの首位を独走するマンチェスター・シティ
プレミアリーグ前半戦総括【前編】
【マンチェスター・シティの圧倒的な支配力】
プレミアリーグ史上最強チーム――。今季のマンチェスター・シティをそう評す声も聞かれる。
群雄割拠の状況も予想された世界一の国内リーグの折り返し地点(19節終了時)で、19試合18勝1分、60得点12失点。その後、更新中だったリーグの連勝記録は「18」で途切れたが(21節クリスタル・パレス戦0−0)、今の好調が最後まで続けば、勝利数、総勝ち点、総得点などの主要レコードも塗り替えられる計算だ。
ここまでの圧巻の強さは、ピッチ上の圧倒的なパフォーマンスから生み出されている。就任2年目のペップ・グアルディオラ監督による、最先端の戦術が理想に近い形で具現化され、平均で7割弱、時に8割を超えるポゼッション率を記録している。
GKやDFを含めて全員が高いスキルを有し、近未来のバロンドール候補であるケヴィン・デ・ブライネと円熟味を増すダビド・シルバが中盤で正確かつ創造的に攻撃を組み立て、スピードと打開力、決定力に優れたアタッカーが次々にネットを揺らす。ボールを失った後の急激な囲い込みも壮観だ。
昨季のような失速は、今季ばかりはないだろう。多くのライバルがすでに白旗を揚げているように、話題はもはや「優勝できるか」ではなく、2003-04シーズンのアーセナル以来となる"インビンシブル(無敗優勝)"を達成できるかに移りはじめている。
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