2018.01.02

日本人選手がプロを目指すクラブ、
ドイツ8部のバサラマインツとは?

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru
  • photo by FC Basara Mainz, Nakata Toru

日本×ドイツ〜バサラマインツ物語@前編

 伊藤達哉がハンブルガーSVのトップチームに昇格したため、今季のドイツ4部リーグ(レギオナルリーガ)でプレーする日本人選手は計18人になった。

 11部まで裾野が広がるドイツのサッカーピラミッド。プロを目指す者、ドイツのサッカー文化を学びたい者、レクリエーションとしてサッカーをする者……。合わせていったい何人の日本人選手がドイツの地でプレーしているだろうか。その正確な人数は誰にもわからない。

ドイツ8部リーグに所属する「バサラマインツ」 武藤嘉紀が所属するマインツの町に、「バサラマインツ」というドイツ8部リーグの小さなクラブがある。31人いる選手のうち、日本人選手は11人。滝川第二高校を卒業し、アマチュアクラブからスタートしてマインツのリザーブチームまで行き着いたものの、プロになるという夢は叶わなかった山下喬(たかし)が会長を務めるクラブである。

「滝二」のふたつ下の後輩、岡崎慎司はマインツでブレイクを果たしたが、シュツットガルト時代は首脳陣の理解を得られず非常につらい時期を過ごした。プロの世界も、アマの世界も、ドイツですぐに活躍するのは日本人にとって簡単なことではない――。山下と岡崎は、そのことを肌身にしみて知っていた。

 プロを夢見て、多くの日本人がドイツへ渡る時代になった。そのことの大変さを知るふたりは、「自分たちのノウハウを伝え、スムーズにドイツサッカーに順応できるようなクラブを作ろう」と誓い、2014年にバサラマインツを創設した。